◇インフラメンテナンスの時代


当研究会の活動

 日本は国土の約7割を山地が占める山国であり、かつ世界有数の火山国、地震国です。更に温暖多雨な海洋性気候であることから、様々な土砂災害が各地で起こりやすく、特に豪雨や融雪等で発生する地すべりはしばしば人々の生活を脅かしてきました。

 集水井や水抜きボーリング、抑止杭等の対策施設は地すべりから人々の生活を守るために非常に大切な施設であるため、適切な維持管理によってその機能を維持することが重要です。

 当研究会では、集水井を効率よく安全に点検し、その維持管理や施設の長寿命化に資することを目的として最新のカメラを用いた点検手法を研究、および普及させる活動を行っています。


集水井点検の重要性


 集水井とは、地すべり地に直径3~4mの縦井戸を設置し、井戸内部から地すべり地内へ配置した集水管によって地すべりの原因となる地下水を集め、排水管で地すべり地外へ排水して地すべり活動を抑制する施設です。

 全国には1万基以上が設置されているといわれていますが、完成後、長時間が経過すると集水管の目詰まりなどによって集水機能が低下しやすくなります。集水井の機能低下は地すべりの不安定化に直結するため、適切な補修工事を実施し機能低下を防ぐことが重要です。定期的な点検によって集水井の健全度を適切に把握することが必要不可欠だといえます。

安全な集水井点検の実現


 従来の集水井点検は、作業員が直接集水井内に入り目視点検をする方法が行われてきました。しかし、この方法では落下事故や有毒ガス、酸欠などの危険が伴います。

 そこで、集水井上蓋の中央に穴を開け、そこからカメラを挿入して点検する方法が考案されました。この方法は作業員が井戸内に入ることなく点検が出来ます。しかし蓋に穴を開ける必要があるため、手間や経費が掛かるとともに、蓋が腐食している場合には落下等の危険があり、作業を行うことが難しくなります。

 これに対し、「集水井点検カメラ」は上記の欠点をすべて解決した点検方法です。集水井内への侵入口からカメラを挿入できるよう形状が工夫されており、井戸内へ作業員が侵入することや蓋上で作業を行う必要のない、安全かつ迅速な点検作業を実現させました。

 

優れた特徴と技術の普及


 当研究会が開発した点検カメラは、機能と特性が異なる「回転撮影型」と「全周撮影型」で、どちらも特許を取得しています。

 これらのカメラが有する優れた特徴は
①軽量で人力運搬が可能であり、作業性に富んでいること

②2種類のカメラにより点検要領に準拠した精度の点検を行うことができること

➂撮影した画像をタブレットを使ってその場で確認できること

④人による目視点検では難しい集水井細部まで撮影が可能であること

等です。

 今後は、これらの特徴を有する集水井点検カメラを用いた点検技術の普及とさらなる改良を図り、安全でより精度の高い点検技術の向上を目指して研究会の発展を推し進めてまいります。


◇新着情報


◆(公社)日本地すべり学会 第61回研究発表会(福岡大会)新技術紹介セッションに出展いたしました  

令和4年9月27日~29日


 

 令和4年9月27日から29日に博多国際展示場&カンファレンスセンターにて開催されました(公社)日本地すべり学会主催の「第61回研究発表会(福岡大会)新技術紹介セッション」に出展いたしました。

 開催期間中は、多くの方にお越しいただき、質問やご意見を頂戴することができました。誠にありがとうございました。

◆令和4年度技術委員会を開催しました                                                                         

令和4年7月27日

 

 令和4年7月27日に令和4年度技術委員会を開催し、委員会の目的や今後の活動について話し合われました。

 

 

 

◆令和4年度理事会 及び 令和4年度通常総会を開催しました                                                                          

令和4年6月17日

 

 令和4年6月17日に新潟県にて令和4年度理事会及び令和4年度通常総会を開催しました。本年度の事業計画と併せて令和3年度の事業報告等について審議を行い、承認されました。

 また、この度、更なる技術の改善へ向けて新たに技術委員会を設置いたしました。

 本年度も引き続き会員各社と点検技術の普及促進に努めてまいります。

 

 

 

◆講習会を開催しました 

令和3年10月25日・26日


 

 令和3年10月25日に新潟県にて点検技術講習会を、翌26日には取得したデータを用いて資料整理の講習会を開催しました。

 集水井点検カメラを用いた作業手順の確認や、疑問点、さらには技術の向上を目指し改善すべき点などの意見を交換し合いました。

 

◆設立総会を開催しました

令和3年6月10日

 

 点検カメラの安全かつ効率的な点検手法の確立と普及、さらには点検技術の向上や新たな技術開発を目指し、「集水井点検カメラ研究会」を立ち上げ、令和3年6月10日に万全な感染症対策のもと、設立総会が行われました。

 

 総会では工法の説明や今年度の活動計画が話し合われるとともに、安全性と生産性の向上に有益な点検技術の幅広い普及に努めていくことが話し合われました。

 

◆インフラメンテナンス大賞特別賞を受賞いたしました

令和2年11月27日

 

 株式会社 興和(本研究会会員)が開発した「集水井点検カメラ」が第 4 回「インフラメンテナンス大賞」特別賞を受賞いたしました。

 

 ※ 詳細は国土交通省のホームページをご覧ください。

◇記事掲載情報


◆雑誌に掲載されました 

 技術報文が掲載されました。

 ・建設マネジメント技術 令和  3年11 月号 p.72 「安全かつ効率的な集水井の維持管理を目指して」 ⇒ PDFはこちら

 

 

 

◇新聞に掲載されました

 現地見学会・講習会の記事が掲載されました。

 ・新潟建設新聞 令和  3年 11 月   1 日 2面 ⇒ PDFはこちら

 ・建設通信新聞 令和  3年 10 月 28 日 7面 ⇒ PDFはこちら

 

 

◆雑誌に掲載されました

 技術報文が掲載されました。

 ・建設機械施工 令和  3年 8 月号 p.74 「専用架台と2種類のカメラを用いた集水井内の点検」 ⇒ PDFはこちら

 

 

◇新聞に掲載されました

 研究会設立概要や活動内容、また、会長 齋藤 浩之 氏のインタビューが掲載されました。

 ・建設通信新聞 令和  3年 6 月 17 日 7面 ⇒ PDFはこちら

 ・新潟建設新聞 令和  3年 6 月 16 日 2面 ⇒ PDFはこちら

 ・建設通信新聞 令和  3年 6 月 14 日 7面 ⇒ PDFはこちら